罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
龍也君の友達。
らしいけど、あんまりいい印象はない。
この人と会話してる時、龍也君私のこと大嫌いだって言ってたし。
なんか日本語通じないし。
あんまり関わりたくない。
私が怒った顔をしていても、彼はいつも通り楽しげに笑っていた。
「あれ、なんか嫌われちゃった?
新鮮な反応だなぁ」
「え?」
「ほら、俺モテるから、あんまり女の子に嫌われたことないんだよね」
「……そうですか。よかったですね」
私はぶすっとした顔で問いかける。
「どうしてこんな所にいるんですか?」
彼はおどけた口調で楽しげに答える。
「え? こんな所って階段? そりゃいるよ。
俺だって家に帰るし」
「そうですよね……。それじゃ、さようなら」
別にこの人と話したいことがあるわけでもないし。
そう思って、立ち去ろうとすると。
「ひなちゃん、龍也に会いたいの?」
名前を呼ばれ、少し彼を睨みつける。
「あの、ひなって呼ぶのやめてもらえますか?」
「なんで?」
「私、本当は陽菜なんです。ひなじゃなくて、はるなです」
一瞬わざとらしく首をかしげた後。
「あぁ、龍也以外にはそうやって呼んでほしくないってこと」
「ち、ちがっ!」
バレバレなのが恥ずかしい。
透さんは声をたてて笑っている。
「バカ正直だねぇー。おもしろいなぁ」