罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
これが噂の壁ドン?
とか、そういうのはどうでもいいって。
私はせいいっぱいの怒った顔で、彼のことを睨みつけた。
全然こたえてないらしく、笑ったままだ。
「残念ながら、今回はご縁がなかったということで申し訳ありませんが」
「何すっげー遠回しに断ろうとしてんのさ」
「私、もう嫌なんです。
罰ゲームとか、冗談とかからかうつもりで好きとか言うの」
その言葉と同時に、手が小さく震える。
龍也君も、この人も。
結局人のことからかってバカにしてるんだ。
そう思うと、かぁっと頭に血がのぼった。
「どうしてみんな、冗談でそういうことが言えるの!?
そうやって言われた人の気持ち、何だと思っているの!?」
さすがに申し訳ないと思ったのか、彼は小さく頭をさげた。
「ごめんね、たしかに俺陽菜ちゃんのこと本気で好きじゃないけど」
「そんなの知ってます」
「それは謝るよ。
でも別に、全然嘘ってわけでもないよ」
じっとりと透さんを睨む。
「じゃあ、付き合ってる振りしてみない?」
この人とまともに話そうとした時点で私の負けなのかも。
「そんなことして何になるんですか?」
「龍也の本心が分かるかもよ」
「そんなこと、出来ません」