罰ゲームでヤンキー君に告白されました。


彼を押しのけようとすると、くいっとあごを上に向かされる。


「は、離して……」

「俺に会いに来てよ」


透さんが突然にっこりと微笑む。


その表情に、少しだけどきっとしてしまった。


「陽菜ちゃん、あいつのこと好きになって苦しいことばっかりだったんじゃないの?
俺だったら楽しい恋の仕方、教えてあげられるよ」

「し、失礼します」


彼を押しのけ、今度こそ逃げ出した。


心臓がバクバクしてる。


Fクラスって、変な人ばっかりだ。
何言ってるのか、全然わかんないしっ!


ちらっと後ろを振り返ると。

にこにこしながら手を振ってるのが見えて、さらにむっとする。



ふっと息をつき、彼の言葉をもう一度考えた。




楽しい恋の仕方なんて、知らない。
そんなの、誰も教えてくれなくていい。



目を閉じると、龍也君の笑顔が浮かんだ。




どんなに苦しくても、辛くても。


私は龍也君がいい。



< 137 / 174 >

この作品をシェア

pagetop