罰ゲームでヤンキー君に告白されました。


えみは彼のことを不審人物だと認定したのか、すっと前に歩み出る。


「あの、Fクラスの人ですよね? 
これ以上ハルに変なことするつもりなら……」


よし、言ってやって言ってやって!
私は全力でえみを応援する。


しかし透さんはいつものようにうさんくさい笑みを浮かべ、えみの手をぎゅっと握った。


「お友達もかわいいね。
そうだ、いちごアイス食べる? 俺買ってあげるよ」

「え、いいんですか?
なんだハル、透さんってけっこういい人じゃん」


「えみ、簡単に買収されないでよ!」


結局いちごアイス一個で話がついたらしく、えみはにこにこした表情で透さんのことを受け入れた。
友情とは一体なんだったのか。



同じテーブルを三人で囲み、透さんはごくごく自然にチキンカツを食べだした。

納得いかない……。


「陽菜ちゃん、いつも怒ってたら顔がゆがむよ?
はい、笑顔笑顔ー」

「笑顔笑顔!」

「いつも怒ってません! というかたいていあなたのせいです!」


えみも完全に透さんにつられてるし。
というかなんだか話が弾んでいる。


まぁどっちでもいいんだけどさ。


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