罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
「……龍也のこと、とらないで」
星乃先輩はすごく不安そうな表情で、そう言った。
まるで泣き出してしまう寸前の、子供みたいに。
「え?」
正直驚いた。
私が知ってる星乃先輩は、いつも自信があってきれいな人だったから。
だけど今は、本当に頼りない姿に見える。
少し力をいれると折れてしまいそうな、張り詰めた表情だった。
私が動揺していると、彼女は信じられないことを言った。
「あたし、ふられたの」
その言葉に心臓がどくんと激しく脈打つ。
ふられた?
星乃先輩が?
えみが言っていた噂を思い出す。
うまくいってないって話、本当だったんだ。
だけど、理由がちっとも分からない。
震える手を握りしめ、声を絞り出す。
「そんな、どうして? だって、龍也君はずっと星乃先輩のことが……」
彼女は決意したような顔で、私のことを真っ直ぐに見つめた。
「龍也、優しいから」
「……え?」
さっきの不安そうな声とは違う。
そこだけ切り取ったみたいに、やけにはっきりした声だった。
「あなたのこと、後悔してるんじゃない」
――後悔、してるんじゃない?
星乃先輩の言葉が、鋭く尖って胸に刺さる。