罰ゲームでヤンキー君に告白されました。


疲れた。


目を伏せて、駐輪場までゆっくりと歩く。
勉強する気なんてすっかり失せてしまった。

もう何もやる気が起きない。
身体が重い。


手にも足にも、私のそこかしこに余計な物ばかりが絡みついてる。


その間も星乃先輩の言葉が何度も頭の中をめぐった。


諦めて、か。


もうあんまり考えたくないなぁ。
あったかいお風呂に入って、余計なことは考えず眠ってしまいたい。


校舎から出ると、外の空気の冷たさに思わず縮こまって手を合わせた。
学校の中だって寒かったのに、外はもっと寒かった。


今日もまた雪が降っている。
白い雪がぴたりと肌につくたびに、眉をひそめた。
憂鬱なことばっかりだ。
自転車で帰るのはちょっと無理かもなぁ。
そう思いながら、駐輪場にたどり着くと。



鋭い瞳に、まっすぐに射抜かれた。



「……龍也君」



彼は傘もささずに、駐輪場の近くでたたずんでいる。



私に気づくとなにか言おうとして、息をのんで。
小さく白いもやを吐いた。


どくん、と心臓が音をたてる。



ちょっと待って。
だってさっき星乃先輩にあんなことを言われたばっかりで、私。
心の準備が、なんにも。



さくさくと、足音が近づく。



顔の近くに影が落ち、かたまってしまう。


「ひな。昨日、透と一緒に……」

「え?」


迷ったみたいにぐしゃっ、と前髪をかきあげる。


「いや、それはどうでもよくて」



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