罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
言いかけた言葉を、そのまま打ち消した。
龍也君も、困っているみたいだ。
龍也君が会いに来る日は、どうしていつも寒いんだろう。
白い息が、ふわりと宙にかすんでは消える。
彼の視線は、本当にいつも苦しくなるくらいまっすぐだ。
だから自信のない私は、思わずそらしてしまいたくなる。
「俺、ひなのことが」
彼の言おうとすることに、予感があった。
それを察して、心に絡まっていた糸がまたぐちゃぐちゃに絡みつく。
分からない。
私だって、分からない。
けどもう、悩むのは嫌だ。
「……龍也君、もうやめよう」
「え?」
私の言葉に、彼の瞳が揺れる。
「私、ずっと怖かったんだ。龍也君のこと」
「……怖い?」
信じられない、と素直に彼の表情にあらわれる。
ストレートな反応に、息が苦しくなる。
諦めてって言われた。
だから、これで全部うまくいく。
龍也君は、迷ってるだけだ。