罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
これでいいんでしょ?
心の中の私が、冷たい声で問いかける。
これでいいんだよ。
私は弱虫だから、もう傷つきたくない。
もう悲しいのは嫌だ。
龍也君と星乃先輩のことを見かけて、苦しくなるのもやだ。
恋ってもっと楽しいことばっかりあると思ってた。
だから、私はもう龍也君にかかわらない。
傷つきたくないから、突き放して、触れなければ、いつか全部忘れられる。
龍也君の表情を思い出し、嗚咽がもれる。
――違う。
龍也君のこと、傷つけてしまったのは私の方。
はっきり自覚すると、口から情けない悲鳴のような声がもれた。
彼の傷ついた顔を思い浮かべると、その場に座り込んでしまいそうになった。
本当の気持ち?
だってそんなこと言っても、誰も幸せになれないじゃないか。
こんな時になぜか、透さんの言葉を思い出す。
『恋をすると、誰でもお姫様になれる』って。
残念ながら、私には無理そうだ。
龍也君のことを見つけるたび、側に行きたくてどうしようもない。
辛くても、悲しくても、龍也君に声をかけたい。
でも、言わない。
私がいなければ、うまくいくのに。
「……め……さい」
言えなかった言葉を呟くと、ぽろぽろ涙がこぼれた。
ごめんなさい。
傷つけてしまって、ごめんなさい。
ただ好きなだけなのに。
『大好きだよ』って、言いたいだけなのに。
どうして素直になれないんだろう。