罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
「ケンカするのとか、哲真とつるむのとか、全部やめるって。
そうしたら、大変なことになって」
「大変なことって、何があったんですか!?」
「抜けるんなら、それ相応の覚悟がいるって。
それで、龍也……」
途中で言葉にできなくなったのか、口元を押さえたように声をつまらせる。
「でも無理だよ。
いくら龍也が強くても、あんな大人数に勝てるわけないし」
何!?
覚悟って。
全部やめるって。
龍也君が、大人数とケンカしてるってこと!?
「星乃先輩、どこにいるの!? 龍也君のいる場所に、連れて行ってください!」
呼びかけたけれど、彼女は不安そうに否定するだけだった。
「星乃先輩っ!」
「……あたし、無理」
「どうして!?」
「だってあたし、怖くて……」
私は電話を持ったまま、いてもたってもいられず外に飛び出した。
ほとんど部屋着のままだから寒くて凍えそうだ。
「陽菜ちゃん!」
どうしていいのか分からなくなっていた私の名前を呼んだのは、透さんだった。
「透さん!」
声の方を見ると、透さんがこちらに手を振っていた。
星乃先輩から連絡があったのなら、なんとなくこの人も近くにいるのかなとは思っていたけれど。
今は龍也君のことが気になる。