罰ゲームでヤンキー君に告白されました。


「ケンカするのとか、哲真とつるむのとか、全部やめるって。
そうしたら、大変なことになって」

「大変なことって、何があったんですか!?」


「抜けるんなら、それ相応の覚悟がいるって。
それで、龍也……」


途中で言葉にできなくなったのか、口元を押さえたように声をつまらせる。


「でも無理だよ。
いくら龍也が強くても、あんな大人数に勝てるわけないし」


何!?
覚悟って。


全部やめるって。
龍也君が、大人数とケンカしてるってこと!?


「星乃先輩、どこにいるの!? 龍也君のいる場所に、連れて行ってください!」


呼びかけたけれど、彼女は不安そうに否定するだけだった。


「星乃先輩っ!」

「……あたし、無理」

「どうして!?」


「だってあたし、怖くて……」


私は電話を持ったまま、いてもたってもいられず外に飛び出した。
ほとんど部屋着のままだから寒くて凍えそうだ。

「陽菜ちゃん!」


どうしていいのか分からなくなっていた私の名前を呼んだのは、透さんだった。

「透さん!」


声の方を見ると、透さんがこちらに手を振っていた。
星乃先輩から連絡があったのなら、なんとなくこの人も近くにいるのかなとは思っていたけれど。
今は龍也君のことが気になる。

< 157 / 174 >

この作品をシェア

pagetop