罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
私は必死に彼に問いかけた。
「あの、龍也君がどこに行ったか分かりますか!?」
「だいたいどこらへんかなって検討はつくけど、はっきりとは」
「全部教えてくれますか!?」
「分かった、行こう」
透さんはバイクに乗っていた。
「とりあえず後ろ乗って」
そう言ってヘルメットを投げた後、私の服装を見て顔をゆがめた。
「つうかそんな格好じゃ寒くて死んじゃうよ! とりあえず俺の上着着といて」
「は、はい。ありがとうございます」
彼からもらった上着を羽織ると少しあたたかくなった。
彼の後ろに乗り、ぎゅっと背中をつかむ。
こんな乗り方なんてしたことがなかったから、振り落とされそうで怖かった。
ぐんぐんスピードがあがっていく。
びくびくしながら流れていく景色を見つつ、彼に問いかけた。
「一体なにがあったんですか?」
「龍也、もうやめるんだって」
「え?」
「あいつ、あんま柄のよくないやつらと付き合いあったけど、そういうの全部切るって。
でもそういうのって、簡単じゃないんだよ。族抜けとか知ってる?」
「よくわかんないです」
「仲間の絆っつーか。
簡単に言うとそういうのを切るってことは、裏切りなんだよ。
当然制裁が加えられる」
穏やかではない言葉に思わず声がとがる。
「制裁って、何をされるんですか!?」
「多分、派閥のやつ全員に囲まれて痛めつけられる」
「どうして急に、そんなっ……」
「あいつ、直情的なアホだから。
思い立ったらすぐ行動しないと気がすまないんだよ」