罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
理由……?
どうして、と考えてすぐに思い当たった。
もしかして私が、ヤンキーが怖いって言ったから!?
不安な心と嫌な想像ばかりがふくらんでいく。
どうか無事でいて。
私は透さんと一緒に、目ぼしいと思った場所を何箇所も回った。
どこに行っても龍也君が見つからず、やきもきしていた。
龍也君、どこにいるの?
焦る気持ちを抱えながら、私達は必死に龍也君のことを探した。
「だめだ、いねーな。あと思いつくのはあそこくらいか」
彼が苦い表情をする。
そして最後に辿り着いたのは、廃墟になったビルの中だった。
誰も使っていないからか、暗くて寂れててお化け屋敷みたいだった。
少し身構えてしまう。
「ここですか?」
「俺が聞いた話じゃ、あとはここくらいしか思いつかないや」
私は無我夢中で暗い建物の中を走った。
「ちょっと陽菜ちゃん、危ないって!」
電気がついていないし、中も荒れ放題でかなり薄気味悪い雰囲気だ。
床にはガラスの割れた破片やごみがばらまかれている。
幽霊だろうが人間だろうが、ここにいるのはまともな人とは思えない。
普段の私なら、一瞬で逃げ出していただろう。
だけどそんなことを言っていられない。
「龍也君、龍也君っ!」
私は何度も呼びかける。
そして建物の一番奥の方で。
何か、低いうめき声のようなものが聞こえた。
「龍也君っ!?」
奥まった場所に倒れている人影を見つけ、背中にぞっと寒気が走る。
まさか。
間違いであってほしいという気持ちをかかえながら、ゆっくりとそれに近づく。
「龍也君……?」
声をかけた瞬間、倒れていた人がぴくりと小さく動いた。
地面の上に倒れていたのは、傷だらけでボロボロになっていた龍也君だった。
頭からは赤い血が流れている。
「龍也君っ!」
呼びかけても、目を覚ます気配はない。
「……やだ、どうしよう」
いつもあたたかかった、龍也君の手。
「龍也君、龍也君!」
なのに、今は体温がない。
すごく冷たくて、凍ってるみたい。