罰ゲームでヤンキー君に告白されました。


「え?」

「私が龍也君のこと、怖いって言ったから……!」



その言葉を聞き、えみは悩むように腕を組んだ。


「大神、どうしてそんなことしたんだろうね。
今まで一緒にいた人達と、関係を切ろうとしたってことでしょ。
それ、すごく大きな決意だよね」


責められているような気がして黙っていると、えみは力強い声で言った。



「変わりたいと思ったんじゃないの」

「変わりたい?」


「ハルのために、変わりたいと思ったんじゃないのかな」

「私……」


えみは優しい笑顔で私を勇気付ける。


「……ハル、もう我慢しないで言っておいで」

「でも、私が行っても……星乃先輩にも、諦めてって言われて」


「一回当って砕けたんだから、もう一回砕けてこい!
もう他人のことなんて、気にしなくっていいんだよ」


そう言われると、くしゃっと顔が歪んだ。


「行きなよ、ハル。
今日言わないと、明日はもっと言えないよ!」



「私、龍也君に会いたい」


ばしっと背中を叩かれる。


「よし、行っておいで! 私、待ってるから!」

「うん」


私は大きく頷き、えみに手を振って駆け出した。



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