罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
「まだ目を覚まさないけど。
あなたがいたら、何か変わるかもしれない」
その言葉に、ぎゅっと胸が苦しくなる。
「優しいんですね」
思わずそうつぶやくと、龍也君のお母さんは不思議そうな顔をした。
「あの、両親ともに教師で、俺のことはどうでもいいと思ってるみたいな、そんな話を聞いたので」
失礼かと思ったけれど、つい言葉にしてしまう。
嫌われているのを分かっていたのか、彼女も苦い笑みを浮かべた。
「龍也が苦しい時に、そばにいてあげられなかったから。
私も主人も不器用で、うまく伝えられなかったの。
でも、どうでもいいなんてことないのよ。
たったひとりの、大切な息子なんだから」
「……そうなんだ。よかった」
龍也君、こんなに大切に思われてたんだ。
それを知れただけで、私も嬉しくなった。
「あの子の所、行ってあげて。まだ話したりは出来ないだろうけど。
私は一度家に帰って、荷物を取ってくるからゆっくりしていって」
「はい、ありがとうございます」
彼女にお礼を言い、病室の方に歩き出した。