罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
少し重い扉をゆっくりと開ける。
白いカーテンがふわりと揺れた。
部屋の中は真っ白で、余計な物がない。
「龍也君……」
彼はそれまでと同じように、青白い顔で眠っていた。
眠っている龍也君を見ると、安心と不安が交じった複雑な気持ちになった。
白いベッドに横たわっている姿は、いつも元気な彼らしくなくて見ているのが辛い。
私はベッドの横にあった椅子に座り、しばらく彼のことを見つめていた。
やっぱりまだ眠ったままだよね。
私は彼の手をそっと握りしめる。
耳をすませるとおだやかな呼吸の音が聞こえ、それに安心する。
私はただただ彼のことをずっと見つめていた。
何の音も聞こえない。
世界にふたりきりになったみたいな、静かな時間が流れた。
どのくらい彼のことを見ていただろう。
時間の感覚がなかったけれど、気がつくと一時間くらいたっていた。
窓から見える光景が夕暮れに染まり、オレンジ色の夕日が射しこんでいた。
そろそろ帰らないと。
「龍也君。早く元気になってね」
祈るようにそう呟いて。
部屋を出ようとした時だった。
「…………ひな?」