罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
悪魔の集う教室
翌日。
やっぱり突き飛ばしたことは謝ったほうがいいかと思って、昼休みにFクラスに行くことにした。
私は両手をあわせ、懸命にお願いする。
「えみ、一緒に来て!」
「やだ、怖いから」
一人で行くのが不安だからえみに頼んでみたけど、秒速で断られてしまった。
相変わらず危険には近寄ろうとしない子だ。
「友達がいのない……」
えみは悪魔のような顔でくふふ、と笑う。
「Fクラスって魔物ばっかりいるらしいよ。どんな様子だったかくわしく教えてね♪」
「鬼っ!」
えみに脅されたからさらに怖くなってきた。
ひどすぎる。
行く気はないくせに恐怖だけあおりおって。
私もFクラス、来たことないんだよね。
用事がないし近寄りたくなかったのももちろんだけど、このクラスだけ同じ学年なのに一階上にある。
だからFクラスは普通の生徒からすると本当に謎の空間だ。
教室の前に来ただけで、わいわいとものすごく賑やかな声が聞こえてくる。
賑やかというか、もう騒音レベル。
「おいてめぇ、ぶっ殺すぞ!」
その声にびくん! と背中が寒くなった。
何もしていないのにごめんなさい、と謝ってしまいそうだった。
冗談とは思えない、かなりマジな言い方だったから。
うぅ、緊張してお腹が痛くなってきた。