罰ゲームでヤンキー君に告白されました。



*.....*.....*.....*.....*



昼休み。


私の話を聞いた同じクラスのえみが、飲んでいたお茶を噴き出しそうになった。



「ええええええええええええっ!? 大神!?」

「そう」

「あの大神!?」

「そう」

「Fクラスのヤンキーの大神!?」

「そうだよぉ……」


私はぐったりと机に顔を伏せる。


「何かの間違いじゃないの? 地味子の頂点にたつ地味子の中の地味子なハルが、あのヤンキーに告白されるなんて!」

「地味子の頂点ってひどくない?」


えみはかわいい顔をして、けっこう言いたいことをズバズバ言う子だ。
だから仲がいいんだけど。


「だけど、なんで私なんだろう」


窓の外に浮かぶ雲を眺めながらぼんやりつぶやく。


確かに私はかなり地味だ。
大神君と話したこともないし、もちろん一目惚れだってされるわけがない。


そもそも私の名前、知らないみたいだったし。
やっぱり誰かと間違えたのかなぁ。



あの時のセリフを、


「お前、俺と付き合え」


から


「お前、今持ってる金全部出せ」

「あ、あの、お金なんて持ってませんけど」

「嘘つけ。ジャンプしてみろ」

ちゃりんちゃりーん


「ほら、持ってんじゃねーか!」

に変換したほうがよっぽどしっくりくる。


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