罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
だけど、龍也君の反応はちょっと意外だった。
気まずそうに頬をかきながら、少し小さな声で問いかけてくる。
「お前、したことなかったのか?」
「は、はい」
キスのことだよね。
ほっぺだけど。
あれくらいで大げさなんだよって、バカにされそう。
ダサいから彼氏いないんだなって。
もう、慣れてるけど。
「悪かったな」
その言葉に再び目を見開く。
「い、いえ……」
あれ? 素直だ。
私がよっぽど驚いた顔をしていたのか、早口で付け加える。
「好きでもないやつとすんのは嫌だろ!」
「そう思うのなら、最初っからしなければいいのでは」
「お前、人がどんだけ謝ってると思って……」
「もう大丈夫です。狼に噛まれたと思って忘れます」
「狼に噛まれたら死ぬだろ」
「致命傷でしたが、なんとか一命を取り留めました」
「ったくお前、わけわかんねー」
龍也君が笑っているのにつられ、私も顔が緩む。
よかった。なんか、仲直りできたかも。
龍也君と普通に話せていることに、すごくほっとしている自分に気づいた。