罰ゲームでヤンキー君に告白されました。



顔、近いんですけど!
唇が触れそうな距離に近づいて、ぴたりとそれをやめる。


「おっとあぶね。キスすると俺のガラスのハートが傷つけられるとこだった」

「防弾ガラスでは……」


それをさらりと無視し、龍也君はにっこりと笑う。


「今日帰りさ、一緒に飯食おうぜ」

「え?」

「晩飯。どうだ? 大丈夫か?」


「あ、はい、今日は夜塾だし、途中でお弁当でも買おうかなって思っていたんで、ちょうどいいです」


そう答えると龍也君はさらに嬉しそうに唇をあげる。

「そっか。じゃあ、帰り迎えに行くから」

「う、うん。待ってる」

「またな」

「はい、また」


手を振って、彼と別れてから。
知らず知らずのうちに、スキップをしてしまいそうになった。


顔も無意識ににやにやしている。


私、変なの。
だけど、なんだか嬉しい。
心がふわふわする。


龍也君とご飯だって。


デート。
まではいかないけど。


なんだかちょっと、楽しみかもしれない。


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