罰ゲームでヤンキー君に告白されました。

真剣な顔を見て、思わず後ろに下がってしまった。


「なんで遠ざかんだよっ！」

「なんとなく、反射的に」

「ったくしょーがねーなー、そういうこと言ってると俺さらに大盛りライス追加すっぞ」

「いっぱい食べるね、龍也君」


彼の様子をくすくす笑いながら眺める。
あぁ、なんだか楽しいなぁ。
龍也君といると、自然と笑顔になる。


しばらくすると注文した料理がやってきた。
龍也君は細いのによく食べる。
身長が高いしよく動くからなのかな。


男の子だなぁ、と思いながらおいしそうにご飯を食べる龍也君を見守る。


「うまい！」

「うん、おいしいですね」


私はふと彼のお皿のすみによせられた緑色の物体に注目した。

彼はハンバーグの付け合せのピクルスを、さりげなくよけていた。


「……龍也君、それ嫌いなんですか？」


一瞬むっとしたように眉を歪めたあと。


「まぁ、好きではねーな」

「ふふっ、ピクルス苦手なんだぁ」


その瞬間彼の瞳が野生動物のようにかっ、と血走った。
怖っ！


「ごめんなさい！　だってなんだかギャップが！」


それをおそれて降伏のポーズをとると、彼はふんと鼻息をはいた。


「ピクルス、苦手な人多いよね。私は平気だけど」


わざとらしくべぇっと舌を出す。


「変な味しねー？　すっぱいじゃん」

「梅干しも酸っぱいですよ」

「梅干しは好き」