罰ゲームでヤンキー君に告白されました。


ご飯を食べ終わると、私達はお店の外に出る。

外はものすごく寒くて、思わず身がすくんだ。
雪でも降りだしてきそうな天気だ。

私はもう真っ暗になってしまった空をじぃっと見上げる。


「寒いねぇ」

「冬、早く終わんねーかな」


龍也君も寒いのは苦手らしい。
塾の近くまで送ってくれるというので、私達は二人並んで夜道を歩く。


「もう時間ないか?」


そうたずねられ、腕につけていた時計を見る。


「あと三十分くらいかな」

「じゃあもうちょっと大丈夫か」


「寒いから、先に帰ってていいよ。私、塾の自習室で勉強しててもいいですし」


塾が始まるまで待ってくれるつもりだというのに気付き、遠慮する。

龍也君も寒そうにしてるし、風邪をひかせてしまったら大変だ。
しかし断ろうとすると、龍也君はむっと眉をひそめる。


「なんだよ、冷たいやつだな」


「え?」


「もうちょっとひなといたいって言ってんだろ」


その言葉にどきっとする。


龍也君が何を考えているのかわからない。
私の名前も知らなかったし、やっぱり好きだとか付き合いたいとか、そういう感じとは思えないんだけど。



じゃあどうして優しくしてくれるんだろう。

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