罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
「はる、大神に何かしたの?」
えみは心配そうに私を見守っている。
「してないしてないしてないっ! しゃべったこともないって!」
それからさっき彼が言っていたことを思い出し、目がうつろになる。
「しかもなんか帰り、迎えに来るんだって」
「えっ!? まじで? 一緒に帰るってこと?」
こくん、と力なく頷いた。
「……逃げようかな」
「逃げたら殺されるんじゃない?」
「やっぱりそう思う!?」
正直逃げたい。
だけど、逃げたらのちのちひどい目にあいそう。
始業のチャイムがなり、私は次の授業の準備をした。
先生が来て授業が始まってからも、話はちっとも耳に入らなかった。
私の頭の中に何度も浮かぶのは。
果てのないように、どこまでもまっすぐな。
まるで私を撃ちぬいてしまうように鋭い、彼の瞳だった。
流れていく雲をにらみ、溜め息をつく。
ヤンキーの大神君。
本当にあの人、一体何が目的なんだろう。