罰ゲームでヤンキー君に告白されました。


そこに立っていたのはモデルみたいに綺麗な女の人だった。
繋いでいた手が、ぱっと外される。


彼女は同じ高校の制服を着ている。
確か二年生だった気がする。


何度か学校で見た記憶はあるんだけど、名前までは知らない。



シャンプーのCMみたいにさらさらの長い髪。
ぱっちりした愛嬌のある目に、高い鼻筋。
道を歩く人が思わずみとれてしまうくらいの美人さんだった。


「龍也」
彼女はもう一度彼の名前を呼び、隣にいる私と龍也君を驚いた顔で見比べる。


な、なんだろう。
すっごく見られてる。
ちょっと気まずい。


数秒間考えた後。
彼女は肩をおとし、悲しそうに呟いた。


「……信じられない。あんたまさか、ほんとに罰ゲームやってんの?」

「そういう約束だし」



……え?


日常ではあまり使わない『罰ゲーム』という言葉に息を止める。


彼女は龍也君の手をぎゅっと引き寄せた。



「哲にはあたしから言っとくから、もう無理しないでいいよ」


彼はそれを一瞬で振り払う。


「いいって! つうかここでそういう話すんな!」


「だけど……」

「ひな、行くぞ」

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