罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
龍也君はそれ以上話したくなかったのか、彼女を置いて歩いて行こうとする。
「あ、はい」
小さく会釈して、早足の龍也君を追いかける。
距離が開いてから、ちらっと後ろを振り返ってみた。
彼女はまだ同じ場所で佇んでいる。
怒ったように何も言わない龍也君の後ろ姿に、どうしてか不安が募っていった。
「じゃあ、今日はここで」
「あ、うん」
塾の近くまで来ると、彼はさっきの話なんて忘れてしまったように帰っていった。
小さくなる後ろ姿を見つめながらぎゅっと手を握りしめる。
私はどうしてもさっきの言葉が気になってしかたなかった。
『罰ゲーム』、って……。
一体どういう意味だろう。
結局塾の授業が始まってからも、あの綺麗な女の人と龍也君の表情が何度も頭をめぐって集中出来なかった。