罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
お迎え
そうこうしているうちに、全部授業が終わってしまった。
終了のチャイムが鳴り、教室や廊下が生徒の話し声でざわざわと騒がしくなる。
いつもだったら今日は部活がない日だから、古本屋にでも寄ってのんびり帰るんだけど。
やっぱり逃げたらまずいよね。
私はとにかく何をしていてもそわそわした気分で、当番でもないのに黒板を消したりしていた。
「進藤さん、わたしやるよぉ?」
日直の女の子に声をかけられたけど、丁重にそれを断る。
「いいのっ、私にやらせて! 今、どうしても黒板が消したい気分なの!」
「そう? 進藤さんがそう言うなら」
彼女に手を振って、力の限りごしごしと黒板を押さえつける。
あーーーーー、緊張する。
それからちらりと時計を見た。
やっぱり、来ないんじゃない?
あれはただの冗談で、もう忘れてるかも。
私、帰ってもいいかな。
そう思って、かばんを持ってこっそり教室から出ようとした時だった。
「おい、ひな。迎えに来たぞ」