罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
低いのによく通る声が、クラスの入り口の方から聞こえた。
クラスに残っていた生徒達が、いっせいに彼に注目を向ける。
そりゃそうだ。
なんて言っても金髪。
目立つ目立つ。
服装もシャツがだらんと出てて、うちのクラスの男子とは全然違う。
「あ……は、はい」
私は急いで彼の方に駆け寄った。
すると大神君は怪訝な表情で私を見下ろした。
昨日も思ったけど、背が高いな。
180センチくらいあるかも。
それも大神君が怖い理由の一つだ。
「それ」
「えっ?」
「それだよ」
前から思ってたけど、大神君ってちょっと言葉が足りない。
「な、なんですか?」
「黒板消し、持って帰んの?」
「あっ!」
私はあわててそれを投げ捨てた。
「ひな」
その呼び方、やっぱり貫くんだ。
自分のことを呼んでいると気づいて、無駄に大きな声で返事をする。
「は、はいっ」
「帰るぞ」
やっぱり一緒に帰るんだ!?
とはいえ怖くて文句なんか言えないけど。
近くにいた女の子がぽかんと口を開けて彼と私を見比べる。
そりゃそうだよね。
なかなかうちの階では見ない顔だし、私と接点なんてなさそうだし。
それから彼の金色の髪を、後ろからどこか眩しく思いながら眺める。
本当にどうしてなんだろ。
名前も覚えてないみたいだし、完全に私のこと好きじゃないよね。