罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
本当のこと
「あのさ、この前龍也と一緒にいたよね?」
学校の近くにあるおしゃれなカフェの店内は、ほどよい人の声で賑わっていた。
彼女はここによく来るらしく、慣れた様子で注文を終えて先に席をとってくれた。
私がおどおどしながら彼女の姿を探すと、ちょいちょいと手招きされる。
星乃先輩はいちごのクリームがのったおしゃれな飲み物を飲んでいた。
メニューが魔法の呪文みたいでよく分からなかったので、とりあえず無難にカフェオレにした。
彼女はストローをくるくると数回かき混ぜ、決意したように一気に喋る。
「もう我慢出来ないから言うけど、あなた」
「進藤陽菜です」
「あ、あたし星乃有華(ホシノユカ)」
はい、知ってます。
「それで進藤さんさ、罰ゲームに巻き込まれてるよ」
「……罰ゲーム」
彼女の言葉は意外なほどに、私の胸に開いていた穴にすとんとはまった。
なんとなく分かっていたことだった。
ゴミ捨て場でからまれた時も、三年の人たちはそんな風なことを言っていた。
『大変だね』
『ただの振りでもこんな女と付き合うなんて』
そんなことを言っていた。