罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
「あたしが言うことじゃないかもしんないけど、関係ない人巻き込むのはやなんだよね。
だから、知ってて欲しかったの。
計画では、もうすぐ龍也の誕生日だから、その時高いプレゼント貢がせてからふってやれって」
そういえば私、龍也誕生日がいつか知らないな。
龍也君のことを、何も知らない自分に落ち込んでしまう。
「本当にくだらないけど、そういうことさせて、自分の方が偉いんだって周りに証明したかったみたい」
「星乃先輩は、今もその哲真さんって人と付き合ってるんですか?」
「ううん、私はもう別れたつもりだけど……まだあいつは納得してないかも。
でもあんなやつ、もう嫌だよ。最低だもん」
彼女の横顔を見ていると、独り占めして縛り付けたくなってしまう気持ちも分かる気がした。
彼女の話を理解すればするほど。
自分がすごくちっぽけで、必要のない存在に思えてきた。
きゅっと手を握りしめ、一番気になっていたことを質問する。
「星乃先輩は、龍也君が好きなんですか?」
そう問いかけると、彼女は少し顔を赤くして。
「うん、好きだよ」
綺麗に笑って答えてくれた。
「分かりました。教えてくれて、ありがとうございます」
私は彼女にお礼を言って、ふらふらと家への道をたどる。
頭の中に焼き付いているのは、星乃先輩の綺麗な笑顔だけだった。
見た瞬間、思ってしまった。
あぁ、勝ち目がないなって。
彼女の言葉が細い針のように尖って、いくつも心に突き刺さる。