罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
「え?」
「そこの、公園」
「えっ?」
確かに言われた場所に、小さな公園がある。
「行くぞ!」
「は、はい!?」
なんで!?
もちろん私に反対する権利などはない。
公園、と言われてしまったので仕方なく公園に入る。
そしてされるがままに端のほうにあったベンチに座った。
冬の公園なんて、はっきり言って寒いだけだ。
あいかわらず冷たい風がひゅうひゅうと吹き抜けているし、会話はないし。
目にはいるのは二つ並んだブランコに、カラフルな滑り台。
滑り台の上では男の子が数人集まって、携帯ゲーム機で遊んでいる。
寒くないのかなぁ。家でやったほうがいいのに。
それから隣でだるそうに座っている大神君をこっそり視線をやる。
無言。
また微妙にやることがなくなったので、もう一度公園を見回す。
鉄棒の前では小学生の女の子が友達と逆上がりの練習をしていた。
ちょっと離れたところからたんっ、たんっ、と砂を蹴る音が聞こえる。
「がんばれ、がんばれー」
とすぐ隣で練習している子を応援する声も。
懐かしいなぁ、逆上がりの練習。
私もなかなか出来なかったっけ。
こうやって座ってると、すごく平和なんだけど。
もう一度ちら、と視線をやってから。
とにかく大神君が何もしゃべってくれないので、今知っている彼の情報を整理してみた。