罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
「なんかね、罰ゲームだったみたい」
「……………………は?」
えみはやっぱり理解できない、というように口をぽかんと開けている。
あっけにとられているえみに、星乃先輩の話や龍也君が教室で言っていたことをかいつまんで話す。
「……だからもしかしたら星乃先輩の嘘かとか考えたけど、やっぱり罰ゲームだったみたい。あはは」
話が進めば進むほど、えみの顔がおそろしい顔つきになる。
やがて最後まで話し終わった後。
「なんっじゃそりゃーーーー! バカにすんじゃねーよ!」
えみの怒りが爆発した。
目の前にあった参考書をぞうきんみたいに全力で絞り出した。
「何なの!? どんだけガキなんだよっ!
つうか喧嘩にまったく関係ない人間巻き込んでんじゃねーよっ!
ふっざけんな!」
「えみ、本がちぎれる! めちゃくちゃになってる!
しかもそれ私の本だし、自分のでやってよ!」
「めちゃくちゃむかつくじゃん! 今すぐふってやりなよ!」
「うん、むかつくね」
「穏やかすぎだよ! もっと怒りなよ!」
えみは参考書を手放してからも納得がいかないらしく、ポテチを親の敵みたいにごりごりと噛み砕いた。
「つうか何様なわけ!? まじありえないんだけどっ!
もう関わらないほうがいいよ!
あんなヤンキーさ、一緒にいても嫌な目にあうだけだって。
やっぱりろくでもないやつだったじゃん!」
「うん、そうかも」
「人の気持ちをなんだと思ってるわけ!? なんで優しいハルばっかり振り回されなきゃいけないのさ!」
「そうだよねぇ」
のんきすぎる私が納得出来なかったのか、えみが私の肩をぶんぶん揺さぶる。
「なんでハル、そんなんなのよぉ! 怒りなよ!」