罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
私のことをぎゅっと抱きしめて、えみが辛そうな声で問いかける。
「ねぇ、諦めたほうがいいよ。
あいつの誕生日に言われる予定なんでしょ?
ハル、もっと辛い思いするだけだよ?」
やっと分かった。
そっか。
大嫌いってわかって、それでもこんなに辛かったのは。
龍也君のこと、好きだったからなんだ。
諦めたほうがいいって、えみが優しさで言ってくれてるのが分かる。
……だけど。
「うん。それでも、どうしても好き」
そう答えると、えみまで泣きそうな声になっている。
「あんた自分に自信なさすぎだけど、普通だからね!
そりゃ地味か派手かって言ったら地味だろうけど、だからってそうやって適当に傷つけられていいわけじゃないから。
そんなヤンキーにかまわなくたって、もっといい彼氏とか出来るはずだし。
私はそんなの、絶対許せないから」
彼女の言葉が嬉しくて、笑みがこぼれた。
「大丈夫、私にはえみがいるから」
「……だけどさぁ」
ぶすっとした顔をしているえみの肩をぽんぽんと叩く。
「ありがとう。誕生日、きっぱりふられてくるね」