罰ゲームでヤンキー君に告白されました。
君を待ってる
龍也君の誕生日から、二週間くらいがたった。
あれから彼とは一言も話していない。
えみはぐずぐずしている私の話を、何度も何度も根気強く聞いてくれた。
「もういいんだー。多分、私一生彼氏できないし」
「そんなことないから!」
そう言ったあと、力強く言葉を重ねる。
「絶対、そんなことないから。ハルには、絶対もっといい人がいるから」
「うん、ありがと」
私の生活は元通りになった。
とりあえず変わったことといえば、月末に学力判定の試験があるくらい。
私は龍也君のことを忘れるために、とにかく勉強に打ち込んだ。
最近ずっと龍也君のことばかり考えていたしちょうどいい機会だと思った。
驚くほど勉強がはかどった。
英単語を一つ覚えるたびに、彼の思い出を一つ忘れてしまえ、と暗示をかけた。
当日、私は会場になっている旧校舎に行く。
時間は朝の十時から一時間半くらい。
えみも同じ教室で試験を受ける予定だったので、一緒に歩いた。
試験官の人に問題を配られ、試験が始まった。
ここ数日勉強ばっかりしていたからか、けっこういい感触だった。
時間より早く解き終わったので、見直しをしながらちらりと窓の外に目をやる。