運び屋の受難


「でもよかったねぇ。私の安全と引き換えにフィギュアを手に入れたんでしょ?」

「うっ」

「いいんだよ、君にとっては当然の選択だよね。
君のオタク活動を手伝ってくれる三次元の私なんかより、今後買えないだろう限定フィギュアの方が大切だよね」

「えっと、その……勘弁してください」

ジミーが頭を下げて、そっと袋を差し出してきた。

「あは、よくわかってるね」

私は笑みをつくって受け取った。
ジミーは安堵したように息をつく。



別に本気で怒っているわけじゃない。

私の安全と引き換えに限定フィギュアを手に入れたことに恨みはない。

ただ、嫌味と仕事のお話をしにきただけだ。


袋に入ってるのはジミー特製改造スタンガン。
私は今日これを買いにきた。

本当は五万で売られているのを無料でもらえる。ラッキー。
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