運び屋の受難
フラフラと八尾市の道を歩く。
あの日乗り捨てたスクーターは、現在修理中。
今日はそのスクーターを取りにいく日だ。
「……ん?」
前からこっちに向かって走ってくる誰かがいた。
その人は後ろを気にしながら走っている。
人通りの少ない道なのに珍しいな、と思っている間に、その人影はどんどん近付いてくる。
目視で顔を確認した瞬間、踵を返した私も走り出した。
そいつは遭遇したくない奴ナンバーワン、死神だったから。