運び屋の受難


フラフラと八尾市の道を歩く。

あの日乗り捨てたスクーターは、現在修理中。
今日はそのスクーターを取りにいく日だ。



「……ん?」

前からこっちに向かって走ってくる誰かがいた。
その人は後ろを気にしながら走っている。

人通りの少ない道なのに珍しいな、と思っている間に、その人影はどんどん近付いてくる。

目視で顔を確認した瞬間、踵を返した私も走り出した。


そいつは遭遇したくない奴ナンバーワン、死神だったから。

< 113 / 215 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop