運び屋の受難

「そういや、あの三人を殺した奴知ってるか?」

明宏が訊いてきた。私の返事を聞くことなく、彼は話を続ける。

「殺し屋・死神だってよ」

明宏はニマァと笑った。私の顔から血の気が引いていく。



殺し屋・死神。噂なら何度も聞いたことがある。

冷酷無慈悲な殺し屋で、プロの殺し屋の中でも一目置かれた存在。
狙われて生きている者はいないと、恐れられる人物だ。

< 25 / 215 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop