運び屋の受難
運び屋の賞金
「っ!」
スクーターに乗ったままバットで小突かれ、転倒する。あまりスピードを出していなかったから擦り傷で済んだ。
「痛…」
転倒した私を囲んでいるのは特攻服を着て派手なバイクに乗った時代錯誤の若者達。
既に日も暮れている。
とは言え翠さんの店を出てから5時間しか経っていない。
……それなのに、暴走族達に囲まれたのはこれで何度目だろう。