運び屋の受難
ひとりぼっちの寂しい空間。
私が望む人生とはあまりにもかけ離れている。
ドアの向こう、廊下から人の声がした。
きっと誰かの見舞い客だろう。
私も向こう側へ行きたい。
幸せな毎日を。
愛に包まれて て心落ち着く毎日を過ごしたい。
そう考えた後自嘲的に笑った。
何を馬鹿なことを。
そんな甘い考えじゃこっちの世界でやっていけない。
……体が弱っている時はどうも変なことを考えてしまう。
急ぎすぎるな私。幸せを享受するにはまだ早い。