親友が好きなあいつに好かれてる私 ~バレンタイン~
「まぁ、別にいいか。私には関係ないし。
最近私が奏多くんと話して悠里が話さなくなってるよね?なんかあったの?距離があるように見えるんだけど。」




「……特に何もないよ。勘違いじゃない?」



と言いつつ私は奏多の方をチラッとみた。


波瑠に嘘をついた。



波瑠には奏多との揉め事に加わってほしくない。




話したら波瑠は心配するし、波瑠には悲しんでほしくないからだ。




奏多の事は私が解決しないと……



難しい顔をしていると、黒澤くんが人ごみを掻き分けるようにこちらに向かってきた。




「えっ!?ちょっと悠里!こっちにくるよ?悠里に用があるんじゃない?」




そして波瑠が予想した通り黒澤くんは私の前で止まった。



「さっき言ったこと聞こえた?」



黒澤くんは私の目を覗くようにかかんだ。



「あ、うん」



私は目をそらして答えた。

< 33 / 35 >

この作品をシェア

pagetop