もう人気者には恋をしない
「……後藤先輩」

「……何?」

「私がしますから……そこに座ってください」

「あ……でも、」

「傷口は……洗い流しましたか?」


 私は一方的に言った。


「あ、うん。一応……」

「じゃあ……消毒しますね」

「……須藤さん……じゃあ、お願いします」


 私は、何も言わずに頷いた。


 先輩と向かい合い、気持ちを落ち着かせながら手当てを始めた。
< 102 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop