もう人気者には恋をしない
「あと……ファンのコ達に言ったこと。
 あれは……全部ウソなんだ」

「全部……ウソ?」

「須藤さんのこと、みんなと同じように接していただけとか、名前を覚えたのはたまたまとか……全部」

「先……輩……」


 ウソってことは……

 ちょっと待って。それじゃあまるで……

 理解しかけると、自分の心臓の音が自分でわかるぐらい、高く鳴り出した。


「ファンのコ達にウソを言ったのは、これ以上須藤さんに絡まないようにするためだったんだ。あぁやって言えば、須藤さんを守れるって思ったんだ……

 もう、あの時みたいな思いはしたくなかったし……させたくなかった」


 私……先輩の何を見てたの?

 先輩はこんなに私のことを考えてくれてたのに……なのに……私は……
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