もう人気者には恋をしない
「俺なりの守りかただったけど……間違ってた。
 結局、須藤さんを悲しませた……
 ホント、ごめん」

「そんな……謝らないでくださいっ。
 謝るのは私の方ですっ……」


 言葉が詰まり、涙が一筋流れた。

 あの時、私は春樹君と先輩を一緒にした。

 私のことを守ってくれたのに、避け続けた。


「本当は……須藤さんのこと、いつも特別に想ってた」


 先輩は、噛み締めるように言った。


「名前だって、須藤さんだけは覚えたかった。
 高校最後の文化祭も、一緒に過ごせて嬉しかった」


「先輩っ……」


「俺…………

 須藤さんのことが……好きだよ」


「っ…………」


 これは……信じていい方なの?

 これが……先輩の本当の気持ち……

 頭が、混乱してる。

 嬉しいはずなのに、なんかまだ……現実を受け入れきれない。
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