もう人気者には恋をしない
最終話 告白
*


 卒業式、当日。


「うわぁーん、せんぱーい!!」


 果奈ったらー……


 果奈は、美術部の先輩達にすがりついて泣いていた。まるで子供みたい。

 先輩達も涙目になっている。

 とうとういなくなっちゃうんだ……先輩達。

 実感が沸いたら、私も少し目が潤んだ。


「先輩達がいた美術部……楽しかったです。卒業しても、遊びに来てください」

「須藤さん……ありがとう~」

「絶対来るからね!」


 別れを惜しみつつ、先輩達は校門を抜けていった。

 桜の木も見送るように、花びらを舞踊らせた。
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