もう人気者には恋をしない
「はぁ~あ……いっちゃったー……」

「うん。いっちゃったね……」


 二人でしんみりとした。

 今日で……終わり。

 今日で……

 …………


「……果奈」

「ん?」

「私……ちょっといってくる」

「えっ、何急に。何しに?」

「……告白……しに」

「告白……えっ!?誰にっ!?」

「密かに……好きだった人に」

「えっ、うそっ!そんなの聞いてないよー!」

「そういうわけだから……じゃあね!」


 私は言うだけ言って、走り出した。


「映見ー!誰か知らないけど、グッドラック!」


 果奈は、親指をビッと立てた。


「ありがとう!後でちゃんと報告するからー!」


 後藤先輩……早く会いたい。

 早く……想いを伝えたい。
< 117 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop