もう人気者には恋をしない
*

「……ふう、だいぶ描けた」


 相葉君がドリブルをしている姿。

 ふふっ。我ながら良い出来じゃない?

 まだ鉛筆で下書きをしたいな。それから色をつけていけば、今週中にはスケッチが終われそう……


「スードーウーさんっ♪」


「っ!!ひゃあ!!」


 あ、スケッチブック落としちゃった!

 誰?急に……


「あっ……後藤先輩っ……」


 姿を見て、またビックリした。


「あら、ごめーん。そんなにビックリした?」


 後藤先輩は笑いながら言った。


「ビックリしますよー。急に目の前にいるんですから……」


 すごい、心臓がバクバクしてる。
 自分でも押さえきれないぐらいに。

 今日は、いないかと思ってたのに。
 急に現れたら心の準備が……
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