もう人気者には恋をしない
 それから優しくされる度にどんどん好きになっていって……
 卒業式の日、私は人生初の告白をした。


 答えは……ノーだった。

 しかも、すごい勘違い扱いをされた。


『俺は君にだけ優しくした覚えはない』
 とか、

『勝手にそう思っていただけじゃん』
 とか……

 あぁ……思い出すだけで切なくなる。


 その中でも、一番心を痛め付けた言葉は……


『ちょっと優しくしただけで好きになるなんて、チョロい女ー』


 ……私の初恋は、音をたてて崩れていった……


 その時、桜の花びらが散りゆく中で、
 号泣しながら誓った。


『もう二度と、人気者には恋をしない』……と。
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