もう人気者には恋をしない
「映見はどうする?一緒に行く?」


 好きな人がどんな人か気になるから、一緒に行ってみようかとも思ったけど……


「私は……もうちょっと迷っておく」


 こういうのはきっと、一人で行くのがいいかもね。

 モデルにしたいという、果奈の気持ちが相手に伝わりやすそうだし。


「映見もさ、好きな人にしたらー?」


 果奈がニヤニヤしながら訊いてきた。


「えー?いないよ、そんな人」

「いないのぉ?もったいない。
 清楚な感じだからさー、映見がその気になれば、彼氏の一人や二人出来そうなもんだけどなー」

「アハハ、一人や二人って。そんな簡単に出来るわけないじゃない。
 いいから、ほら。いっておいでよ」


「うん!はぁ~なんかドキドキするぅ~」


 果奈はボブの髪を揺らしながら、嬉しそうに駆けていった。

 うまくいくといいな……

 果奈は明るくて人懐っこくて可愛いから……きっと相手もオッケーしてくれるよね。
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