もう人気者には恋をしない
 そして、とうとう私達の番が来た。


「ようこそ~……サッカーの館へ~……」


 受付の人が、消えそうな声で呟いた。すでにお化け屋敷の演出が始まってる。

 ……わぁ。受付の女の子、かわいいー。

 女子マネかな?黒いロングヘアーに白いロングワンピース……あ、貞子のマネかぁ。白塗りの化粧もしてるから、ホントお人形さんみたい。

 でもこのコ……どこかで見たような……

 
「……あ、須藤ー。来たんだね」


 私と目が合うと、普通のしゃべり方になった。

 あれ?この声、この笑顔……


「まっ、まさか……相葉君!?」

「……うん」


 正体を知ったら、鳥肌が立った。

 それぐらい、完璧な女装だった。


「すごーい相葉君!完璧女子だよ!
 その格好は、自らしたの?」

「そんなわけないじゃん。先輩達に『お前は絶対女装しろ』って強引にさせられたんだよー」


 恥ずかしそうにしてる姿が、ますます可愛い。

 相葉君てば。さすが、顔が愛らしいだけある。先輩達が女装させたい気持ちがわかる。

 果奈と彼氏も、相葉君の可愛いすぎる女装に釘付けだった。
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