もう人気者には恋をしない
「あ、もちろん、映見ちゃんが良ければ……」

「……行きます……」

「……え?」

「一緒に……行きます」

「ホント?……あ、良かったぁ~。クマさん、嬉しいなぁ~」


 思わず受けちゃった。

 なんか……今日ってすごくない?

 お化け屋敷だけじゃなくて、絵まで一緒に見に行くなんて……

 今日の占い見てないけど、
 もしかして一位だったのかも。


「よーし♪
 そうと決まったら、レッツラゴー!」


 先輩は、スキップをして進みだした。


 ……あ、あれ?


「ちょっ、ちょっと待ってください!」


 私はあることに気づき、慌てて止めた。


「んー?どうしたのぉ?」

「あの……着ぐるみは脱がないんですか?」


 先輩は、フフフと笑った。


「だから映見ちゃん。クマさんはクマさんだってば~。これは、着ぐるみじゃないんだよ。
 ほらほら、行くよ~!」

「え……えぇ~?」


 先輩、本気ですか?

 ……ぷっ……でも、おもしろいかも。

 私は、クマさん(後藤先輩)と一緒に歩き出した。
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