もう人気者には恋をしない
「……確かに私は、相葉君が好きですよ」

「えっ!?」


 先輩が驚いた。でも、私は構わず続けた。


「可愛らしい顔をしてるけど、サッカーをしている姿はカッコいいなとも思います。気兼ねなく話せる男子も、相葉君が初めてでした。
 でも……恋愛の対象かと言われたら、全然そうじゃないんです。ホントに、そんな風には見たことはないんです。
 相葉君が私のことを友達と思ってるのと同じで、私も相葉君のことを友達と思ってるだけです」


 ……はぁ。言い終わったら、すごくチカラが抜けた。

 これで、誤解はとけたかな?


「…………」

「……先輩?」


 反応がない……

 私の方はみてるんだけど、一時停止して動かない。

 私の言ってること……意味不明だった?


「……かぁ」

「……はい?」


 何か、ボソッと呟いた。


「ハハッ、そうか!友達としてね!
 そうかそうか!アハハッ!いやぁ、マジでビビったぁ~!」

「…………」


 意味不明……ではなかったみたい。

 先輩はその後も、同じことを二・三回言って笑い続けた。
< 69 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop