もう人気者には恋をしない
 それから少し会話をして、相葉君はようやく教室から出ていった。


「……あのヤロウ、やっと行きやがったよ……」


 後藤先輩が、ベランダから教室に入ってきた。


「ふふっ、ビックリしましたね」

「可愛い顔して、何気に邪魔なヤツだな」

「ホントですねー……あ」

「あ……」


 お互い、相葉君のことを邪魔だと思ってた。


「相葉君……ちょっと可哀そうですね」

「いいんだよ、アイツなんか。
 それより……さっきのことなんだけど……」


 ドキッ!


 ガラーッ!


「!!」


 また誰か来た!まかさの、相葉君再び?

 先輩は二度も隠れきれず、せめて正体を隠そうとクマさんの頭を被った。

 入り口に立っていたのは、相葉君ではなかった。
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