もう人気者には恋をしない
「やっぱりー!」

「!!」


 花ちゃんの声で我に返り、私と先輩は急いで離れた。


「は、花ちゃん。何が、やっぱりなの?」


 心臓をバクバクさせながら訊いた。


「クマさんはやっぱり王子様だったんだね。

 映見ちゃんがキスしたら、カッコイイ王子様に戻ったもん♪」

「えっ!?……」


 キ……キスって何!?あ……クマさんの頭が、私の顔にぶつかった時のことを言ってるのかな。

 ていうことは、これっていわゆる……後藤先輩と間接キ……キスってこと?

 って、それってかなり事件じゃない!?

 花ちゃーん。後藤先輩の前で、あんまりそんなことを言わないでー。私、どんな顔していいかわからないよー。
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